2017/10/30 毎日新聞

1面トップ記事はオスプレイ事故率が海兵隊機全体を上回った記事。

元々個人的には個人ブログで解説されていた事故率の低さを元に安全性を信頼していただけに、アメリカ国防総省元分析官の「オスプレイ海兵隊内で普及するに従い、比較的経験の少ない操縦士も操縦するようになってきており、人為的なミスが起こりやすい状況」と軍事評論家(前田哲男氏)の「オスプレイは固定翼モードと垂直離着陸モードの切り替えの際に脆弱性が指摘されており」とのコメントから安全性に対する認識を改める切っ掛けになった。

しかし記事中では毎日新聞がいつこの情報を掴んだのか明示しておらず、選挙やその他重大ニュースが続いた中で掲載のタイミングをうかがっていたように思われる。

 

選挙後を総括する連載”安倍続投を読む”5回目は東大元学長(佐々木毅氏)。

東大元学長だけあって高尚なご意見。選挙制度の見直しと解散権の見直しに触れているが、先日のニコニコ選挙特番に出演していた識者は選挙制度については議論していたが解散権については特に議題にならなかった。むしろ権力者の性悪説に苦言を呈していたくらいの勢いで、このあたりが経済界と学術界の境界なのだろう。

 

2面の特別編集委員の記事題目は”日本の核外交は卑屈か”。

28日の核兵器廃絶決議案に批判的なメディア報道に対して日本政府の立場から擁護的な見解。前から思うに毎日新聞の特別編集委員の視点はイマイチ。違った視点を提供するという意味では良いと思うのだが個人的見解が多いように思う。そういう新聞だけども。

 

3面は電気自動車へのシフトを大きく取り上げた記事。

しかし本来ここは開催中の東京モーターショーを大きく取り上げたかったところではないだろうか?経済誌のネット記事等では盛り上がりに欠けていると聞くに、そんな邪推もしてしまう。内容としては既存自動車メーカーが他業態を超えた新規参入により危機に陥るという流れについてまとまっていて良い。

 

4面のWSJ24日付記事の紹介はユーロ圏の賃金上昇率の鈍化について。

「労働者は、相対的にコストが低い国との競争だけでなく、技術革新によってロボットに仕事を奪われる脅威にもさらされている。先進国の賃金が全般に抑えられているのは、こうした理由からだ。特に欧州はその傾向が強い。労使交渉の性質が変わり、組合側が「賃上げ」よりも「労働時間の柔軟性向上」や「雇用の安全」を重視するようになっているためだ。」
タイミングを合わせて日経WEB刊でも30日付で同様の記事があり、そこには高齢化も含まれていた。欧州は国際競争力よりも労働者保護に熱心な風潮があるようでもっと詳しく知りたい気がする。

 

6面には”ルターの光と影(中編)”。

この連載はとても興味深い。中編ではルターの宗教改革に学んで現代のイスラム教の変革を促す意見もある。「宗教改革についてはイスラム教の立場からも肯定的に評価する声がある。「イスラム教は時代や環境に適応した時に成功していた。イスラム教の国々が停滞する今、宗教改革について考えるのは良いこと。(既成概念の)刷新と批判的検証がイスラム世界の課題だ」。」

 

13面は”自分主導でキャリア構築”。

女性のキャリアパスなど。損保ジャパン日本興亜ひまわり生命サントリーの事例。

そして15面に”若い女性 過疎地に急増”。

これも女性のキャリアパスのひとつだろう。

 

17面、作家高橋源一郎氏の人生相談の回答。

「若さを、美しさを、健康を、感覚の鋭さを、あなたは失ってゆくでしょう。では、それは、耐えられない苦しみしか生まないのでしょうか。そうではないことをあなたは知っているはずですね。なぜなら、あなたが従事している「芸術」という営みは、「失う」ことが苦しみだけではないことを、人間に伝えるために存在しているからです。~作り手たちが、何かを失うこととひきかえに作り出されたものばかりです。喝采を受けず、冷たく無視されても、作り手たちは後悔しないでしょう。なぜなら、作り出すこと自体が、彼ら自身への幸せな贈り物でもあることを知っているからです。」

 

18面”いじめ認知 自治体に温度差”。

文科省はいじめがどこの学校でも起きることを前提としているが、現場の意識改革はまだ進んでいない。~自分の学校やクラスにいじめが存在するのは不名誉なことだと考える管理職や教員は少なくない。」

教育の問題点はもっと議論されるべき。

 

26面”全国盲学校弁論大会全国大会”。

優勝弁論を読んだけども、中等部以上の学生対象の大会で本人が大学中退、社会人経験ありの28歳となるとどうにも不公平感はぬぐえない。この文章であればコンテストではなく一般に発表するようなものではないか。現にプログラミングコンテストなどはU22のような年齢制限を設けるものがある。

 

29面にパラリンピック関連の記事。

「昔から頑張るのが好きな性格なんです」とのコメントが心に残った。

 

本日は以上です。